歯周病とはなんぞや!? その4(治療の流れ)
投稿日:2013.09.05
歯周病治療には、手術っていう手段もあるの、知っていましたか?
一口に歯周病治療といっても、いろいろな方法や段階があります。
いきなり、ズバッと一発治してくれる……というわけではありません(苦笑)
歯周病の治療には、なが~い道のりがあるのです。
(1)まずは、歯周検査。
歯周病になっているのか、なっているなら歯周病がどれだけすすんでいるのかをチェックします。
たいてい場合は、初めて来られた際などに、衛生士さんたちが調べて、磨き具合や汚れ具合を書いた紙を渡
してくれます。
たま~にいらっしゃいますよ。
「えっと……今まで、生まれてから磨いたことってありますか……?」
って思わず訊きたくなってしまうような患者さん。
またはその逆で、
「え、今生まれたばかりですか?」
と言わんばかりにピカピカきれいな歯をお持ちの患者さん。
(2)次に、ブラッシング指導。
たいていの場合、まあ、けっこう磨き足りない患者さんが多いので、ここで治療の合間に衛生士さんたちが、みがき方を教えてくれます。
まあこの忙しい世の中、そんな毎日歯磨きに時間をかけてられないですよね。
意外とこの指導は、これまでちゃんと磨けていた患者さんでも気が付いていないことがあったりと、けっこう豆知識?が豊富です。
(3)次の段階は、ぶらしでは取れない、もう固まって石になった、いわゆる歯石はスケーリングで機械的に取り除きます。
キーンという高い音がするので、結構ビビる患者さんもいらっしゃいますが、一気に歯と歯の間に隙間ができて、もうびっくりですよ。
(4)ここまでやって、またどれだけ改善されたか、歯周検査で再評価をします。
症状がひどいとまあ、ぶっちゃけ改善はあんまりなかったりします……が、もちろんここでぐっと良くなる患者さんもいらっしゃるわけで……
要は、ご本人の頑張り次第で、次のコマが決まる、というわけです(笑)
たいていの場合は、この段階で何度か、スケーリングや指導を繰り返したりします。
(5)再評価でよい診断とならないと、SRPという治療をします。
これはもう少ししっかりとお掃除を行う方法ですが、細かいことは今回は省きますね。
(6)そして、また検査と評価。
歯科では、歯周病治療では一つの段階を終えるたびに検査と評価で判断していきます。
(7)ここまでで、「だめだ、こりゃ」となると、最後の手段、外科的手段をとることになります。
これは私たちの間では「フラップオペ」「フラップ」と呼ばれているもので、麻酔をして歯肉を切って、普段はお肉の中に隠れて見えない部分、つまり歯肉の下の歯石や汚れをとります。
まさに「歯周ポケット」に直接切り込んでいって、原因を取り除く、ということです。
外科的手術って……となんとなく恐い響きですが、手術中は麻酔をしているから、痛くありません。
その後数日は腫れたり、痛かったりする場合もありますが、痛み止めが処方されるので、お薬を飲んで痛みをとめます。
この段階(7)まで来るには、初診から数か月はかかります。
(8)またまた検査と評価。
外科的手術をして、状態がどうかをチェックします。
(9)もう二度と歯周病がひどくならないように、メンテナンスを続けていきます。
……と、これが歯周病治療の流れです。
歯周病になるには、いろいろな原因があります。
一概に歯石や汚れが原因だとか、磨き方が悪いといったことだけが原因かというと、そうでもない場合もあります。
たとえば、歯ぎしりとか、かみ合わせとか、歯並びとか、持病だとか。
いろんなことが要因となっている場合があり、これらもまたそれぞれ改善していかないといけないのです。
ホント、歯は奥が深いです……。